雨の日のカフェ

知ったかぶりをする人間が嫌いだ。他人がどんな思いで、どんな道筋を通って、どんな考えのもとで、どんな選択のもとで今に至るのか知らないで、土足で人の心に踏み込んでくるような人。自分をかわいそうな人間と称しているわけではないし、あからさまに土足で踏み込んでくるような人はさすがに少ないけれど、人間やことばを研究している私にとっては、その人がどんな気持ちで人と接しているのか、特に相手が自分だった場合には、そこに敏感なのかもしれない。同じような道を歩んできた人や、同じような経験をしたことがある人には、あることがどんなに大変なことなのか、辛いのか、楽しいのか、幸せなのか・・・ということが分かるのだと思うから、同調することやそれを尊重して話すことは容易なのだろう。ただ、人は皆違う経験をしているからこそ、相手の心境を考えることというのは、心地よい人間関係を築く上では必要なのだろう。心地よい人間関係を築く必要なんてどこにもないけれど、もしそういう関係性を築きたい場合にはそうなのだろう。

 

同調するのが上手な人は、きっと同じような経験をしている人か、場数を踏んでいるのか。それは、結果的には年齢に比例するのかもしれない。

 

ボルダーは今日は雨です。